【洋書】奇妙な子供たちが住む世界へようこそ!「Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children」 by Ransom Riggs あらすじ&感想

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今回紹介するのはRansom Riggs(ランサム・リグズ)による2011年のダークファンタジー小説「Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children」です。

2016年には映画化されて話題になり、私自身もそれがきっかけでこの作品について知りました!

小説版の英語の難易度は、ヤングアダルト小説なのでそれほど高くないという印象。

まるで主人公と一緒にミステリアスで奇妙な世界に迷い込んでしまったかのような気分で、わくわくしながら一気に読むことのできる洋書です!

目次

 ▶あらすじ
 ▶祖父の死の謎と不思議な子供たちとの出会い
 ▶主人公が見つけた本当の自分
 ▶続編「Hollow City」

あらすじ

主人公のジェイコブは、16歳のちょっぴり内向的な男の子。

彼の祖父・エイブラハムは幼いジェイコブに、かつて一緒に暮らしていたという「奇妙な子供たち」の写真を見せたり物語を語ったりしてくれました。

時がたち成長したジェイコブは祖父の話がすべて作り話だと信じるようになっていましたが、ある日何者かに襲われた祖父が謎の遺言を残して亡くなり、ジェイコブは不気味な姿をしたモンスターを目撃します。

 

祖父が自分に残した手がかりを頼りに、ジェイコブはかつて祖父が住んでいたウェールズの小さな島へ父と2人で向かいます。

そこで出会ったミス・ペレグリンと「奇妙な子供たち」は驚いたことに、爆撃のあった日をタイムループのなかで繰り返し生きているというのです。

そして彼らは、ジェイコブの祖父を殺したモンスターの脅威にさらされていたのです。

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※以下ネタばれを含んでいるので、未読の方はご注意ください。

 

祖父の死の謎と不思議な子供たちとの出会い

前半は主人公が不思議な体験をしながらも、祖父の写真で見たミス・ペレグリンや奇妙な子供たちと出会い、彼らのミステリアスな存在に迫っていく様子が面白かったです。

そして後半の見せ場は明かされるジェイコブの祖父を殺したワイトの正体、そしてゴラン先生との最終対決です。

 

冒頭で出てきた白い目の隣人が、実は祖父を殺したワイトだったという展開が一番びっくりしました。

しかもこの隣人と同一人物でワイトだと分かった精神科医のゴラン先生は、白い目を隠すためカラコンをつけてて、いろんな人物に変装してずーっとジェイコブを監視してたという。なるほどカラコンは思いつかなかったなあ・・・。

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主人公が見つけた本当の自分

この物語で一番印象に残ったのは、ジェイコブがミス・ペレグリンや奇妙な子供たちに出会ったことで、自分が何者かを見つけ出していく過程です。

 

「普通」の人間はループを通り抜けられない、と言われたジェイコブは、自分も何か奇妙な能力を持っており、それが祖父と同じ「モンスターが見える」という能力だと知ることになるのです。

自分が住んでいた元の世界では、なかなか周囲となじめず友達もほとんどいなかったジェイコブですが、エマたちと同じく自分もPeculiar (奇妙) なんだと気付いていき、居場所を見つけていく様子にぐっときました。

また銃を使うことができなかったジェイコブが、終盤で「おまえにはできない」と言うゴラン先生ののどを一発でぶち抜くシーンはかっこよかったですね・・・!

 

ちなみにジェイコブは、祖父の元恋人のエマ(見た目は同い年くらいだけど実際はおばあちゃん?)と恋に落ちます。

ちょっぴり内気なジェイコブと強気なエマは、いい組み合わせにも思えるのですが・・・。

おじいちゃんの元恋人と付き合うって、やっぱりなんか複雑じゃない?みたいな(笑)続編もあるので2人の関係がどうなっていくのかも気になります。

 

物語の最後、ジェイコブはエマたちと一緒にループにとどまるか、それとも両親の住む元の世界に戻るか葛藤します。

そして元の世界には2度と戻れないかもと分かっていながら、さらわれたミス・アヴォセットを取り戻し、ワイトたちが人間を支配する計画を阻止する為の旅に出ると決意します。

 

特にお父さんに必ず戻ると約束して別れを告げるシーンは、ぐっときました。

断固とした意志の強さを表すジェイコブの姿には、彼の成長をうかがうことができました。

お父さんは、自分は夢を見ていると思い「気をつけろよ」みたいなことを軽く言って自分の部屋に戻っていきますが。エマとジェイコブの祖父が一緒に写った写真やエマの手紙を見てびっくりするだろうなあ。

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続編「Hollow City」

続編の「Hollow City」はまだ読んでないのですが、ジェイコブら子供たちと鳥の姿にとらわれたミス・ペレグリンが、ロンドンへと向かう・・・というストーリーのようです。この後の展開が気になるので早く読んでみたい!

また実写化された映画も機会があれば見たいです。ティム・バートン監督作品なので、「アリス・イン・ワンダーランド」の時のように奇妙な子供たちをいい感じに映像化してくれてそうですね!

 

↑続編である「Hollow City」の原書(日本語翻訳版もあります)。

 

エヴァ・グリーンミス・ペレグリンを演じる2016年の映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(原題:Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children) 」

小説を読んだ後に見比べてみるのもおすすめです!

 

「Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children 」の原書。

 

↑日本語翻訳版の「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち (上巻)」



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