こんにちは!
最近Netflixオリジナル作品の映画を見るのにはまっているぶたこです。
今回紹介するのは、先日見た映画「ビフォア・アイ・フォール(原題:Before I Fall)」。
この映画は、ローレン・オリヴァー(Lauren Oliver)による2010年の同名ヤングアダルト小説が原作となっています。
目次
▶あらすじ
▶注目の若手女優さんが多数出演
▶毎日を人生最後の日のように生きる
▶小さな行動がもたらす結果
あらすじ
主人公の女の子・サマンサは、人気者の女子グループに属し、かっこいい彼氏もいて、誰もがうらやむ幸せな高校生活を送っていました。
しかし2月12日の「キューピッド・デー」の夜、パーティーから帰る途中のサマンサと友人3人の乗る車は何かにぶつかって横転し、サマンサは死んでしまいます。
ところがサマンサが再び目を覚ますと、何事もなかったかのように同じ2月12日が始まり、自分が事故にあった日と全く同じことが次々と起こるのです。
なぜか自分が事故にあって死ぬ日を繰り返し生きることになるサマンサ。
彼女が人生最後の日を何度も繰り返さなければならない重大な理由とは?
彼女はタイムループを絶ち、自分の死ぬ運命を変えることができるのでしょうか?
※以下ネタばれを含んでいるので、未見の方はご注意ください。
注目の若手女優さんが多数出演
先日見たNetflixオリジナル作品「ラストウィーク・オブ・サマー」のハルストン・セイジさん(本作ではリンジー役)目当てで見てみた本作。
しかし、今作では特に主人公サマンサを演じるゾーイ・ドゥイッチさんの演技に心奪われました。
ゾーイさんは、母親が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で知られるリー・トンプソンさん、父親が映画監督のハワード・ドゥイッチさん、姉も女優という芸能一家の出身。
友人や彼氏、家族との関係で揺れ動くティーンの不安定な心や、タイムループを繰り返すうちに葛藤しながらも変化していく主人公の姿をうまく表現していたと思います。
毎日を人生最後の日のように生きる
この映画のメッセージのひとつが、ありきたりかもしれませんが、1日1日を無駄にせず精一杯生きること。
タイムループを終わらせようと、サマンサはより良い行動をし、より良い人間になろうと努力します。
サマンサは、最初少し感情移入するのが難しかったです。
というのも彼女は学校で、はみ出し者の女の子・ジュリエットをリンジーたちと一緒になってからかっていたから。
ただタイムループを繰り返すなかでサマンサが変わっていく様子を描くためには必要だったのかもしれません。
表面的な愛情だけで自分を大切に扱ってくれない彼氏を本当に好きなのか。
裏でお互い悪口を言い合っていたり、ひょっとするとジュリエットや他の生徒を虐げることで団結していたかもしれない女友達との関係はこれでいいのか。
一方で、ろくにコミュニーケーションをとっていなかった家族、自分が高校で人気者になってからは遠ざけていた幼なじみ、自分が知らず知らずにいじめて傷つけていた人たちなど、事故の前には気にも留めていなかった人たちの気持ちも考えるようになっていきます。
ティーンエイジャーらしい葛藤を通して、自分の人生や過去を見つめ直していく過程を見ているうちに、いつの間にかサマンサにも共感できるようになっていきました。
サマンサは、正しい行いをしたはずなのにタイムループを絶てず、なげやりになって家族や友人に当たったり、周囲の人々に反抗的な態度をとったりすることもありました。
けれどこのつらい過程のなかで、徐々に自分が正すべき間違いを見つけ出していくんです。
小さな行動がもたらす結果
そしてもうひとつは、自分の小さな行動が良くも悪くも大きな結果をもたらしうるということ。
サマンサはタイムループを繰り返すうちに、もともと事故にあった日車にぶつかったのは、自殺を図ったジュリエットだったと気付きます。
そしてタイムループを終わらせるには、自分の死を受け入れ、ジュリエットを救うしかないと。
自分が何をすべきか悟った日、サマンサは家族や友人たち、ケントに自分の素直な気持ちを伝え、周りの人たちに心から優しく接します。
そしてその夜、リンジーの車の前に飛び出したジュリエットを救うために、サマンサは自分が身代わりになって死んでしまいます。
ジュリエットは動かないサマンサに「救ってくれたのね」と言いますが、やっとタイムループから抜け出したサマンサはその様子を見ながら「私が救われたの」と言います。
サマンサはこの不可思議な経験のなかで、本当の自分を取り戻すことができたから。
ジュリエットと友達になってあげれば、彼女は自殺を思いとどまったかもしれないし、サマンサは死なずに済んだという考えもありますが、サマンサがやり直せるのは人生最後の1日だけ。
すでに追いつめられていたはずのジュリエットを救うには、サマンサが自分を犠牲にするしかなかったんじゃないかなあ。
ちなみに事故が起こる日の教室での授業シーンで、先生がシジフォスについて話しているシーンがあります。
シジフォスは、生前の行いのせいで、死後頂上に着くとまた転がり落ちてくる岩を何度も山の上に押し上げる苦役に服すことになったギリシャ神話上の人物。
なんとなく、サマンサにこれから起こることを暗示していたよう。
もしこれが彼女への罰だとしたら、どちらかというと主犯格のリンジーの方がそれを受けるのにふさわしいのに、と思ってしまいました。
けれどサマンサが見て見ぬふりをしたり、一緒になっていじめていたのは変わらない事実。
自分の普段の小さな行動の積み重ねが他人の人生に大きな影響を与えていたと、自分が死んでしまったあとだけれど、やっとサマンサは気づけたんじゃないかと思います。
とても切ないラストでしたが、久々に見たあと多くを考えさせられた映画でした。
↓新しい映画を探している方にはこちらもおすすめです。
↑映画の原作となったLauren Oliverによるヤングアダルト小説「Before I Fall」。
映画とのタイアップ版です。