こんにちは。
今月ついに配信開始されたNetflix ドラマ「13の理由」のシーズン2。
シーズン1と同じく物議を醸しそうなシーンもありましたが、別の視点から見たハンナの物語や新たに浮かび上がる謎など、ミステリー要素を絡めつつ社会問題を描いていくストーリーはとても面白かったです。
そんなシーズン2のあらすじや個人的な感想をまとめてみたいと思います!
目次
▶あらすじ
▶ザックとハンナのエピソードにびっくり
▶賛否が分かれるタイラーのシーン
▶クレイとジャスティンにほっこり
▶真実を明らかにしようとする者・隠そうとする者
▶(もしあれば)シーズン3に向けて気になること
あらすじ
自殺したハンナが残したテープが、リバティ高校の生徒に衝撃を与えてから数か月。
示談になると思われたハンナの事件は一転、裁判で争われることに。
タイラーを筆頭にリバティ高の生徒や教師、そしてハンナに関わる様々な人が証言台に立つことになります。
彼らはハンナの正義のために真実を語るのか?それとも自分を守るために嘘をつくのか?
裁判が進むにつれて、今まで知ることのなかったハンナの別の一面が次々と明かされていきます。
さらにクレイのもとに届いた「ハンナだけじゃない」という意味深なポラロイド写真、そして「法廷で話すな」とジェシカたちを脅す人物の存在が、謎をますます加速させていきます。
※以下ネタばれを含んでいるので、未見の方はご注意ください。
ザックとハンナのエピソードにびっくり
裁判が進むにつれて、次々と明らかになったハンナの新しい一面。
アレックスやジェシカがハンナと疎遠になった理由や、トニーがハンナのテープを預かるきっかけになった出来事など、シーズン1では詳しく描かれなかった部分がそれぞれの登場人物の視点から語られていく様子が面白かったです。
なかでもザックとハンナがあのメモの出来事の後、ひと夏中一緒に過ごして恋人関係になっていたというのにはびっくり。
ザックといる時のハンナがものすごく幸せそうだったので、ザックだったらハンナを助けられたかもしれないのに・・・とよけい切なく感じてしまいました。
ザックの八方美人さは視聴者の視点からすると、最初ちょっともどかしく感じました。根はいい人そうだしアレックスやクレイに協力的ではあるけれど、ブライスともつるみ続けたり。
けれど自身の高校時代を振り返ってみたら、ザックみたいに周りからどう思われるかを常に気にしてしまう気持ちもすごくよく分かりました。
ザックが言っていた「いじめられたくもいじめたくもないし、波風立てずに生きたい」というのは、まさに昔の自分が思っていたことだし、特に学生なら彼に共感する人は多くいるんじゃないかなあと思いました。
大人になれば多少人に嫌われるのも仕方ないと受け入れられるけれど、高校生だとそんなふうに考えられる人はまだ少ないと思うし、はがゆい気持ちになりました。
賛否が分かれるタイラーのシーン
シーズン1でも性的暴行や自殺の描写が物議を醸しましたが、今シーズンでも最終話のタイラーへの性的暴行シーンはかなり大きな批判があったようです。
ブライスに見放さなされたモントゴメリーが怒りの矛先をタイラーに向け、彼を集団暴行するシーンは思わず目を覆いたくなるほどショックでした。あのシーンを見た直後は、しばらくずっしりと重い気分が晴れませんでしたね・・・。
あんなひどいことさすがに現実では起きないよね・・・?と思っていましたが、その後の特別番組「Beyond the Resasons」では、「このような事件が全米の高校で実際に起きている」というのを聞いてますます衝撃を受けてしまいました。
性暴力と聞くとどうしても女性に対するものを思い浮かべますが、男性への性暴力も数多く起こっている事実に目を開いてくれたという点では、意味のあるシーンだったのかもしれません。
もしタイラーに何かがあったとほのめかすような間接的な描写だけだったら、これほどドラマを見終わった後に考えさせられることはなかったかもしれません。
ただ大人の自分でも動揺したので、見たあとに気分が落ち込む人がいるのも理解できるし、そのあたりをどう描けばいいのか本当に難しいなあと思いました。
またタイラーが銃乱射未遂事件を起こしてしまうまでの過程も、シーズン2を通してじっくりと描かれていました。
今シーズンではサイラスとマッケンジーという友人ができて、うれしそうな表情を見ることができたタイラー。
けれどその後、自分だけが馬鹿正直に証言台で真実を語ったという怒りと裏切り感、仲良くなったサイラスやマッケンジーが自分から離れていってしまったことへのむなしさ、そして追い打ちをかけるようなモントゴメリーのひどい仕打ちが彼を追い詰めていったように思います。
もちろん銃に訴えるという結論には共感できないし、残念に感じました。
でもそこに至るまでのタイラーの心の動きから、このような事件を起こす人物は決して生まれながらの凶悪人でなく、虐げられ続けたり怒りが積もりつもって極端な行動に出てしまうのだと改めて気づかされた気がします。
ポーター先生はタイラーをリスクの高い生徒として目をつけていましたが、もっと多くの大人が彼の周りで起こっていることやサインに気付けていたら、このような一見突発的に思える事件を未然に防ぐことができたのでは、と思いました。
クレイとジャスティンにほっこり
今シーズンも基本重い雰囲気で物語が進んでいきましたが、そのなかでもクレイとジャスティンの意外なコンビには少しだけほっこりさせられました。
シーズン2が始まった時は、2人が兄弟になるなんて誰が想像できたでしょうか(笑)
ちゃっかりクレイ一家の食卓になじんでいたり、クレイにシャンプー取ってと言ったり、思わず微笑んでしまうシーンが多かったです。
ちょっと不謹慎ですが、前シーズンと打って変わってぼろぼろになっているジャスティンの表情が、ときどき迷子の子犬のように思えてかわいかった(笑)
最終話でクレイがジャスティンに養子にならないか?と話すシーンは、ちょっとうるっときてしまいました。
ジェシカにしてしまったことに心の底から反省して、真摯に償おうとしている様子は好印象でした。ただ最終話で、またドラッグを打ってたのはちょっと残念でしたが・・・。
真実を明らかにしようとする者・隠そうとする者
クレイのもとには、ブライスが誰かを性的暴行している2枚目のポラロイド写真、「クラブハウス」と書かれた3枚目のポラロイド写真が次々と届きます。
このポラに写り込んだラインカーから、クレイは運動部男子の秘密の部屋「クラブハウス」の存在を知ります。
ブライスたちはこの部屋に招いた女の子のポラを保管して、秘密をばらされないように保険をかけていたのです。
このポラをこっそり持ち出し、クレイにこの「クラブハウス」の存在を知らせようとしていたのはなんとザック。
ジェシカの新しい友人・ニナ、さらにブライスの今カノ・クロエもまた、このクラブハウスで被害にあっていたことが明らかにされたのです。
一方でクレイやジェシカたちを脅迫して、証言を妨害していたのはなんとモントゴメリー。
前シーズン最終話で自殺を図ったアレックスは一命を取り留めましたが、どうやら記憶を一部失くしているようで、自分の遺書にある「止められたはず」という言葉がつっかかっていました。
実はブライスがハンナを性的暴行しているまさにその瞬間、アレックスとモントゴメリーはすぐ近くでビデオゲームをしていたんです。
のちにこれを知ったアレックスはブライスを「止められたはず」と思って、自殺まで図ってしまったのです。
そしてモントゴメリーはブライスをかばうために独断で、正直に証言しようとする人々を裏で脅していたのです。
(もしあれば)シーズン3に向けて気になること
この記事を書いている時点ではまだシーズン3は決定していないようですが、もし製作されるとしたら気になるポイントをまとめてみました。
●銃乱射事件を起こしかけたタイラーはどうなるの?
ダンスパーティーに銃を持って乗り込む直前、クレイの必死の説得で何とか思いとどまったタイラー。
警察が来る直前にタイラーはトニーの車で逃がされ、クレイが彼の銃を持ったまま立ちすくむ場面でシーズン2は終わります。
トニーはタイラーをかくまうの?クレイは警察にタイラーのことを正直に話すの?これほどのクリフハンガーでシーズン3が作られなかったら、ちょっと後味が悪いですね。
●クロエの子供の父はブライス?
ダンスパーティー中にトイレでばったり会ったジェシカに、クロエは自分が妊娠していると打ち明けます。
転校するブライスはもう次シーズン出番がないのかなあと思いましたが、もしクロエの子供の父親がブライスだったらまた登場しそう?
●ジャスティンは無事クレイと家族になれる?
ハンナの葬式の後、カフェで養子縁組の話をしていたクレイとジャスティン。
ぐっとくるシーンでしたが、カフェの外にはその様子を見ているジャスティンの暴力的な義父の姿があり、少し不穏な雰囲気。
さらにジャスティンはまだ内緒でヘロインを打っているようなので、ドラッグ中毒からも完全には立ち直れていないようです。
ジャスティンが無事クレイの兄弟になるまでには、まだ一難ありそう?
正直これらの伏線がなければ、シーズン2できちんと完結してくれてもいいんじゃないかなあと思っていました。
ただこんな終わり方をされたら、シーズン3を期待せずにはいられません。
個人的にはモントゴメリーにしっかりと裁きが与えられてほしい!
もしシーズン3があるならば、ハンナの登場はほとんど、もしくはまったくなさそうですよね。
お葬式でクレイはやっとさよならを言えて、ハンナの物語には一区切りついた感じでしたし。
すべてが始まったきっかけのハンナがいなくなるのはちょっぴり違和感がある気もしますが、今後は様々なティーンの社会問題を描いていくドラマになるのかなあ。
(もし作られるとしたら)今後ドラマの方向性がどうなっていくのか気になりますが、まずはシーズン3に更新されるかどうか見守りたいと思います!
※追記 ハンナ役のキャサリン・ラングフォードさんが、シーズン2をもって降板することを発表しました。
※追記 シーズン3への更新が正式に決定されました。リリースは2019年になるようです。
What happens now? Season 3 of #13ReasonsWhy is coming. pic.twitter.com/B5brKfPGYZ
— 13 Reasons Why (@13ReasonsWhy) 2018年6月6日
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↑シーズン2のオリジナルサウンドトラック。
セレーナ・ゴメスが歌う「Back To You」から、ダンスパーティーのシーンで流れていた印象的な曲「The Night We Met」まで、全20曲が収録されています。
↑ドラマの原作になったジェイ・アッシャーの小説「Thirteen Reasons Why」。
英語の勉強もかねて、原書で挑戦してみるのもおすすめです!
↑小説の日本語翻訳版「13の理由」。